高血圧
現在の日本の基準では140/90mmHg以上を高血圧と診断します。
たとえ高血圧であっても、ほとんどの場合自覚症状はありません。しかし、放置しておくと全身の血管が障害を受けます。特に脳血管の障害や心臓の血管の障害、腎不全にもつながっていくとわかっています。健康診断や自宅の血圧で高い血圧が続くようであれば、一度診察を受けてみましょう。
高脂血症
コレステロールは人間の体に欠かせない脂質の一つですが、多すぎると血管の壁に余分なコレステロールがたまっていきます。これを動脈硬化といいます。
動脈硬化そのものは初期には自覚症状はありませんが、脳梗塞、心筋梗塞などの重大な病気につながります。食事や運動など改善することで低くなる可能性もありますが、家族性に高くなりやすい体質の方もいます。動脈硬化の危険因子は高脂血症、高血圧、糖尿病、高尿酸血症、喫煙、加齢など挙げられますが、危険因子が3つ重なると正常の約30倍動脈硬化が進みやすいといわれています。早めの対応が大切です。
高尿酸血症
血液中の尿酸の濃度が7.0mg/dLを超えると高尿酸血症と呼びます。
関節の炎症をおこす痛風や尿路結石などの原因ですが、そのまま放置することで他にも合併症が起こることがわかっています。高尿酸血症も動脈硬化の原因となり、また腎不全の原因にもなりえます。原因となるプリン体の摂取を控えたり、アルカリ性食品を積極的にとったり、水分を多くとる、アルコールは減らすなどの食事面の改善をまず考えましょう。
糖尿病
糖尿病は膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの量が減ったり、働きが不足した時に起こる代謝障害です。初期の糖尿病にはほとんど自覚症状がなく、放置する人が多いです。しかし、糖尿病は長い時間をかけて様々な合併症を全身に引き起こします。中には生命が危険にさらされるものもあり注意が必要です。
こんな自覚症状が現れたら要注意です。
- 異常にのどが渇いて水分をたくさんとる。
- だるくて疲れやすい。
- たくさん食べているのに体重が減る。
糖尿病は血液中の糖分が多くなり、その名の通り尿に糖が出てしまう病気です。糖が尿に排泄されるときに沢山の水分を一緒に出してしまうのでたくさんの尿が出る。体の水分が失われてしまい、脱水状態になりやすくなります。特に夏場は汗も出るので余計に脱水になりやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞の危険性も増します。
また、尿から糖分が出ていってしまうためいくら食べても体重が痩せてしまうこともあります。
糖尿病、食事療法や運動療法などで生活を改めることで改善し、薬を使わず安定することはありますが、生活が元に戻ってしまうと悪化します。完治を目指す病気というよりはうまく付き合っていく病気、もしくは体質と考えて生活を改めた上で定期的に検査、必要あれば治療を加えて合併症の進行がないようにすることが大切です。
当院では、栄養指導にも力を入れ、薬のみではなく生活習慣の改善を目指します。
また、当日の採血ですぐにHbA1cの結果を出し、血糖値のコントロールの成果をわかりやすくお伝えいたします。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)
睡眠時無呼吸症候群とはSAS(Sleep Apnea Syndrome)とも呼ばれる睡眠中に呼吸の停止を繰り返す病気で、その多くがいびきを伴い自覚症状が少ないことが特徴です。
睡眠時無呼吸症候群は、肥満により上気道へ過剰に脂肪が沈着することが原因の一つとされています。遺伝的あるいは後天的に上気道が狭くなっていることに起因して肥満でない方も約30%にも発症しており、誰しもが発症し得る病気であると言えます。
十分な睡眠をとっているつもりでも、無呼吸であるために脳や身体が休むことができず、昼間の眠気や疲労感が増し日常生活に影響を及ぼすだけでなく、交通事故などの重大な時代を誘発することさえ起こり得ます。
また、高血圧や糖尿病などの生活習慣病との関連も指摘されています。「朝起きても疲れが取れない」「日中眠くなる」「大きないびきをかく」などの症状がある場合には一度ご相談ください。